ワンオフの一例として静岡県、N様よりご依頼のグランディスフロントバンパーを紹介させて頂きます。


乗っていられる方ならご存知だと思いますが、シャリオグランディスと比べてこの型のグランディス、外装アフターパーツがほとんどありません。
こだわる人にとっては選択肢が皆無といっていい状態です。
N様も以前からハーフのエアロをフロント・サイド・リアと付けていたのですがキズや色ハゲが増えてきたのをきっかけにリニューアルを検討されました。

before after


最初に決まっていた内容としてはフロントバンパータイプの製作(サイド・リアは現在付いているものを補修・再塗装して使用します)
最低地上高を現在と同じにする(実用性を損なわない仕様)
車検やメンテナンスの際特殊な作業を伴わない、純正バンパーに順ずる取り付け方法
オリジナリティ・インパクト・2台といない個性

話し合いの結果車格の近い別車種の社外エアロバンパー(FRP)を使い、車両取り付け部分を今付いている純正バンパーから型取りをして合体させるという工程に決定しました。

最初に候補に挙がったのが日産ノート用エアロだったのですがこれが製品納期がほぼ未定に近かったため却下。次に挙がったのがプリウスα用のエアロでした。
こちらは正直、うちでは扱ったことのないメーカーさんのものだったので少々不安はあったのですが、最終的には見積りどおりの金額で完成しました。
(ベースエアロがあまりに品質が悪く仕上がりに極端な影響が出る場合、無視して進めるか追加工賃をいただいて本来触る必要のない部分の手直しをするかの選択になります)
  

まずは純正バンパーより取り付け部分の型を取ります。
今回は作業終了時、純正バンパーを捨ててしまっていいとのことでしたので後々邪魔になってくるグリル部分を埋めてからの型取りです。

  


型から製作したFRP製の純正バンパー取り付け部分です。
デザインはかわっても触れない(触る必要のない)部分をFRPで作り直した訳です。

ベースとなるプリウスα用エアロが到着です。幅は比較的に近いのですが高さやグリル部分の角度が全く違うのでライト下部分でカット、この段階で地上高を指定の数値にあわせます。
この段階で、デザイン的に残す部分、無くす部分をオーナー様と打ち合わせて最終的完成形を決定します。

  


微調整を繰り返してまずはエアロが予定の位置まで入るようカットしていきます。

  


位置が決まったらFRPで合体させます。(すみません画像がありません。)位置がずれないように最初表面側からFRPを貼って乾燥後に車両より取り外し裏面からしっかりと合体させます。
その後、切り出しておいたプリウスαエアロのグリルをインサートします。

  


繋ぎ合わせた部分をパテで成形していきますが、あまりパテが多くなってしまいそうな部分があった場合はウレタンフォームなどを入れて形を作ってから表面からもう一度FRPを表面に貼ります。

  


裏面の仕上がりです。重さも元のエアロと大差なく、車両側の負担にならない範囲に収めます。

  

一旦サフェを入れて加工加工部分の確認です。不自然な箇所やピンホールなどがあればこの段階で修正します。

  

全ての加工を終えて最終の仕上げサフェを入れればうちでの作業は終了です。
あとは塗装屋さんにおまかせします。
そして、塗装終了後最終的な取り付け微調整をして完成です。

  

  

オーナー様にも”最初からグランディス用のエアロとして販売されているものより自然に綺麗に付いている”と言って頂けました。
このデザインを一からワンオフで作ってしまうと、とんでもない工賃と納期がかかってしまいます。あるものは使う、という発想で作ってもワンオフには違いありません。
絶対的な個性と満足感は市販のボルトオンパーツにはない喜びだとおもいます。