ZX9R (C型 99’)ワンオフカスタムの記録


  


  

  


一つのワンオフの例として私の愛車でもあるZX9Rのワンオフ外装製作の過程を紹介します。
コンセプトは最低限のカスタムで最大限のイメージチェンジ・NINJA1000のライトを使用しながらもNINJA1000化けにはせずにあくまでも別のバイクに見せる。
エアロパーツ屋の意地としてフレーム等の金属パーツへの加工はせず基本的には元に戻せるようにする。
せっかくつくるのだから世界に一台、何にも似ていないバイクにしたいと思います。
  

ベースに使ったアッパーカウルは同じZX9R用でもE型用マジカルレーシング製レース用カウルで本来C型に付けるにはカウルステー・メーターステー・メーター・ラムエアダクトなどカウル周辺のパーツをほとんど交換しないと付きません。
それを交換してボルトオンでは面白みがないので今回はカウル以外基本部品交換はしません。
この画像はとりあえず当たるところをカットして多少無理やりですが、イメージをつかむ為仮組みしたところです。
このあとアッパーカウルを可能な限り低めにセットしました。それによってアンダーカウルのエンジン周りの逃げも全部合わなくなって作り直しになりました。

  

こちらはNINJA1000用のヘッドライトの固定用枠です。ヘッドライトケース本体にぴったりにつくることによりガタつきを無くします。
このあとヘッドライトのステーもスペース的都合で全てカットして作り直しました。

  

その枠をヘッドライトレンズ面と綺麗につながる面を製作し、それをカウルに仮固定してヘッドライトの光軸が合う位置を探ります。
もちろんデザイン的なバランスもこのときに大体決まります。(画像:左)
E型のアッパーは横から見たときフェイスが長い気がするのでできるだけライトを奥に入れてフェイス周りを少しでもコンパクトにします。
位置が決まったら余計なところをカットし、表面をFRPで合体させます。(画像:右)

  

ヘッドライト周りの造形と同時にスクリーン取り付け角度の調整(元が立ちすぎていたので少し寝かしました)
ライト下のラムエアダクトもCとEでは大きさ・位置共に違うのでこれもCのダクトにつながるように奥で絞り込んで位置を調整しました。
NINJA1000はヘッドライトがH7で左右でそれぞれハイ・ロー固定なのですが、片目点灯があまり好きではないのでリフレクターのバルブ取り付け台座をスライスしてH4用を移植しました。
これによって左右共にハイ・ロー切り替えができるようになりました。(画像:右)
ウィンカーはninja1000ヘッドライトのポジション部分をウィンカーとして使えるよう加工しました。
フロント・リア共にウィンカーが10wと純正の半分以下になってしまいましたが、明るさは目視ではなぜか純正同等に見えます。あわせてハイフラ防止にICウィンカーリレーに変えました。
スクリーンもマジカルレーシングの専用品?の穴位置になっていたのでE型純正がつかえるように開けなおすのでとりあえず埋めてあります。

  

すみません、リア周りの造形途中の画像がありませんが、大体フロントと似たような工程になります。
ついでにホイールも塗装し、外装も一気にイメージチェンジです。

  

9R乗りの方ならわかると思いますがヘッドライトケースの車体側取り付けは純正と同じベータピンで取り付けできるようにFRPで作ってあります。
HIDもつけたのでバラストはココに仕込みます。

  
  

お気軽カスタムとは言いがたいですが、一般的な市販パーツ中心で作られた、どこにでもいる?カスタム車両と比べればけして高くない金額でオンリー1なカスタム車両が製作できます。
もちろん、この9Rは展示用などではなく普通にツーリング等に使用しますし、車検も考慮して製作しております。
ヘッドライト・テールランプはステーカットなどはありますが、基本ボルトオンで取り付け・取り外しができますので万一の破損の際にも安心です。(接着やコーキングでの固定はしておりません)
途中画像を見ていただければわかると思いますが、パテ等の使用は極力少なくしておりますので重量増が最低限に抑えられると同時に強度も純正とほとんど変わりません。


AeroParts &FRP Customize 吟屋工房